ホットロード(紡木たく)

昭和を代表するリアルな青春漫画
紡木たく先生の数ある作品の中で一番自分の時代や環境にヒットするものが”ホットロード”です。
小学生から中学生になった時の大人びた先輩や同級生の子供さ。
少し自分の世界観がグッと広がり、好奇心よりも同じ年代の仲間の気持ちや環境に心がキュンと切ない気持ちになる作品です。
主人公のかずきの素直で率直な、冷たそうなのに繊細で優しい気持ちや、強がりで甘えたい年頃の10代を本当にリアルに描かれています。
密かに気になりだした春山の存在もまた私たち読者には、この世に存在しないであろう人物をあたかもいるかのようにときめきドキドキしました。
中学一年生のかずきが転校生のえりと夜の暴走族の世界に入り込みその中で昭和の一番ゆるくも厳しい時代を暴走族の頭として先頭に立つ春山を思う切ない青春漫画です。
親の気持ちよりも自分の気持ちをわかってくれないもどかしさと、家出、夜遊び、ドラック(シンナー)など昭和のあるあるが懐かしさと切ない気持ちになります。
ハイスコアガール(押切蓮介)

ゲームがキーワード!初恋の甘酸っぱさにも浸れる「ハイスコアガール」
ゲーム好きの人におすすめの漫画です。
本作が描くゲームは、1990年代に一世を風靡した対戦型格闘ゲーム。
中年の人が読むと、懐かしさが真っ先にくるかもしれません。
主人公が小学6年生の時から物語は始まります。
勉強にも運動にも自信が持てないハルオは、ゲームだけに自足感を得て、ゲーセン通いに明け暮れています。
そこで出会ったのが晶でした。
ゲームの腕だけでなく、勉強も運動も出来て家庭も裕福。
ゲーム以外に接点がない二人でしたが、ゲームを通して互いの距離を縮めていきます。
晶の留学による別れ。
その間に小春がハルオに関心を寄せ、やがて、晶と再会し、あやうい三角関係になった三人は中学、高校と青春のただ中に進みます。
自分の恋愛感情に気づかなかったり、恋愛感情を持て余したりする様は、まさに青春。
ゲームが軸になることで、学園ドラマの恋愛とは一風変わった描かれ方がなされます。
ゲーム、恋愛がキーワードの作品です。
ゲームが好きな人はもちろん、初恋の甘酸っぱさに浸りたい人にもおすすめの作品です。
君に届け(椎名軽穂)

青春漫画の金字塔
言わずと知れた青春漫画の金字塔です。
主人公の『黒沼爽子』は内気な性格で、はじめのうちはクラスで孤立してしまっていたのですが、クラスの中心人物である『風早翔太』と関わっていく過程で、自分の殻を破り、クラスのみんなと打ち解けていきます。
友人とのすれ違いや、自意識と現実のギャップなど青春期独特の悩みがリアルに描かれていて、共感できるシーンがいくつもあります。
いちばんの見所は、やはり佐和子と翔太の恋愛模様です。
爽子は自分に対して自信がないので、翔太が遠回しにアプローチしてもなかなかストレートに受け取らず、妙な誤解をしたりします。
その誤解に翔太が振り回されたりします。
爽子と友人たちの関係の変化も面白いです。
爽子は友人関係に慣れていないので、はじめのうちは遠慮をしてしまって、自分の気持ちを正直に言えずにに隠したりしてしまいます。
それで、距離が縮まらなかったりするのですが、いろいろな出来事を経験していくうちに、だんだん心を開いていきます。