階段途中のビッグ・ノイズ(亀屋 樹)

衝動で走り出すロックンロール
亀屋 樹のデビュー作で原作小説『階段途中のビッグ・ノイズ』のコミカライズ版 薬物をやってしまった先輩たちとは違う!学園祭のために入学してきた主人公は協力してくれる仲間達の力を借り、学生にとっては壁となるさまざまな困難を乗り越え学園祭で一番の盛り上がりを見せるまでの作品です。
廃部からの逆転を狙う展開としては王道だが、圧倒できな表現力で鳥肌が止まらない。
仲間を集めバンドを組み楽曲は原作通り洋楽をコピーしているが、漫画なのでもちろん音楽は聞こえない。
しかし、実際に読んでみれば演奏シーンの表現力には驚かされてばかりだ。
原作つきでも新人でこの表現力、今後が楽しみで仕方ない。
もしくは担当編集者は凄腕なのかもしれない。
同じ学生世代が読めば衝動で走り出す気持ちの良さを体験したくなるような青春漫画。
思わずギターを触ってみたくなるかもしれない。
大人になってから読めば、小っ恥ずかしさのある懐かしい甘い青春なんかを思い出すんじゃないだろうか。
4巻で完結済み、手を出しやすい作品であることは間違い無いでしょう。
タッチ(あだち充)

高校野球
青春漫画の金字塔と言えばこの漫画。
知らない人でもタイトル名くらい知っているだろう。
双子の兄上杉達也と弟上杉和也、お隣の家で幼馴染の浅倉南との恋模様と甲子園への夢を描く。
子供のころからの夢、南を甲子園に連れていくまでの物語。
出来のいい弟和也が南を好きなことを知っている、出来の悪い弟思いの達也は自分の気落ちを隠しているのだ。
和也と南の2人の幸せを願っているからだ。
和也は野球部に所属していてピッチャーでエース・周りからの人望も・信頼も厚いので当然いえば当然の事だろう。
だが、本当の南の気持ちは・・・。
和也達部員は毎日白いボールを追いかけて汗を流し、厳しい練習の日々。
後1勝すれば甲子園出場が決まる大事な決勝戦の日に、子供を助けて和也は交通事故にあい亡くなってしまう。
その時から、2人の関係も微妙になってしまう。
和也の思いを引き継ぎ、南の為に達也は野球部に入部し甲子園を目指す。
白球を追いかけるライバルとの対決・和也・達也の思いは・南の思いは。
この続きは読んだものにしか味わえない青春がある。
この音とまれ!(アミュー)

高校筝曲部の熱い青春ストーリー
この作品は、高校の筝曲部を舞台にした作品です。
廃部寸前だった筝曲部に入部したのは、評判の悪い不良の久遠。
しかし、久遠の亡き祖父は筝を作る職人で、祖父の為にと入部を希望していました。
廃部の危機を救うため、久遠の不良仲間の足立・水原・堺が入部します。
すっかり不良のたまり場のようになってしまった筝曲部。
そんな筝曲部に新たにやってきたのが、筝曲の家元の娘である鳳月で、彼女もまた事情を抱えていました。
地味で真面目な部長の倉田は初めは警戒していましたが、久遠やその仲間たちが真剣に練習に取り組む様子を見て、次第に彼らを信頼していきます。
鳳月も最初は不良の久遠を訝しく思いきつく当たっていましたが、自分の思い込みに気付き心を開いていきます。
筝曲というあまりなじみのない世界の話ですが、高校生が真剣に取り組む姿は胸を打たれます。
彼らが弾いていた曲は、実際に音源化されていて、その曲を聴きながら漫画を読むと更に胸に迫るものがあります。
忘れていた高校時代の青春を思い起こさせる名作です。